2025-05-07
JOIN THE SEA ISLAND CLUB!【海島綿Webマガジン第2号】
今月のトピックス
5/21(水)海島綿セミナー開催です!
いよいよ、海島綿セミナーの開催日も近づき、詳細が確定しましたので、あらためてご案内いたします。
今回のタイトルは「再発見!海島綿 ~海島綿を使う3つの理由」です。
品質、歴史、サステナブル、トレーサビリティ、希少性、安全性などなど、お客様目線で魅力的に映るような海島綿の様々な特徴を3つのカテゴリーにまとめてプレゼンテーションします。ほぼ「海島綿全部入り」と呼べる内容です。
同時に「海島綿を手に取り風合いを感じる」展示会も開催し、実際に生地を手に取ることでよりイメージを膨らませていただけます。
このセミナーに参加いただき、是非ともご自身のブランドやものづくりの方向性に合った海島綿の魅力を見つけ、お持ち帰りください。
日時:5月21日(水)14:00-15:00 場所:中央区日本橋教育会館8Fホール 東京都中央区日本橋人形町1丁目1番17号 |
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参加費用は無料です。名刺1枚をご持参のうえ、お気軽にお越しください!
こちらのリンクから事前登録いただけますと、当日の受付がスムースです。
ジャマイカとアメリカ、同じ海島綿でもこんなにも育ち方が違う!
現在、海島綿が安定的に商業栽培されている国は2か国、ジャマイカとアメリカ合衆国です。ただ同じ海島綿だからといって栽培の在り方も同じというわけではなく、むしろ違いの方が大きいかもしれません。
違いの前に、同じ点を確認してみましょうか。
まずは当たり前ですが、種は同じです。アメリカの海島綿栽培ではカリブからもたらされた種を大学の研究室において現地の気候に合わせて選別した種が使用されています。あくまでも選抜育種で他品種との交配は行われていないのがポイントです。
そして種が植えられてから収穫の大部分が終わるまでの栽培期間も約6か月とほぼ変わりません。
栽培する人たちが誇りをもって海島綿に携わっていることも忘れてはいけません。
一方で『違い』についてはどうでしょう。
一言で述べてしまうと「機械化の度合いが全然違う」ということにつきます。
ご想像通り、アメリカの方が機械化が進んでいます。ジャマイカでもトラクターなどは使いますが、雑草処理、収獲やその後の処理など多くの人手に頼っています。
ここにはジャマイカの人件費や事業規模の小ささといった経済的条件によって機械化が一定レベルにとどまっているという側面はあります。
しかし機械化の差はそれだけが理由ではありません。例えばジャマイカでは一つ一つのボールを手摘みするのに対し、アメリカでは機械によって一気に収穫しています。これは必ずしも経済的理由だけではなく、環境の違いからくるコットンの育ち方の差も大きな原因です。
ジャマイカでの海島綿のボールは基本的に樹の下から上に順番に開いていき、最初の収穫から最後の一つを摘むまでに3か月かかることもよくあります。上の写真も下の方で収穫しつつ上ではまだ花が咲いている状態ですね。これはジャマイカの気候が綿花の成長にとってほぼ年中適したものであることが大きな理由です。ジャマイカの海島綿は常に成長し続けてしまいます。
一方でアメリカにおける栽培地では、秋になると夜の気温が下がり霜が降りる日が増えてきて綿花の成長が止まります。成長が止まった綿樹についたコットンボールは比較的短期間に一斉に開き始めます。それゆえ、アメリカでの海島綿の収穫は機械でいちどきにできるのです。
どちらも一長一短です。コスト面では大きな面積で機械化を進めたほうが良いのは当たり前です。ただ、海島綿の栽培はリスクが高く収量も低いため、農家さんとしてはそこまで規模を大きくもしたくありません。手作業の割合が高いジャマイカでは規模は小さくてもきちんとした対価が支払われることにより地域に根差した農業として継続できています。
このように、それぞれの国の気候や事情に合わせて、うまくバランスを取りながら海島綿を守り続けているのです。
あとがき
恥ずかしいことに、私は十数年シーアイランドコットンに関わっていながらいまだに英語で「コットン」と発音することが苦手です。
ジャマイカにせよアメリカにせよ、海島綿の畑を見に行く際には必ずアメリカもしくはカナダにおいて入国審査を通らなければなりません。審査官からの「何しにアメリカに来た」「何でジャマイカへ行くのだ」という質問に馬鹿正直に「コットンを買いに来ました!」と答えるも、とにかく毎回毎回「はあ?何を買いに来たって?」って感じで聞き取ってもらえないのです。
英語の発音はコットンよりもカタンに近いかもしれません。でも、「カタン」と言おうが「KAT-TUN」と言おうが全く通じない。仕方ないので着ているTシャツを指さしてコットンファイバー!と日本語発音で言ったら通じたり。よく分かりません。
入国審査官が明らかにラテン系の場合はスペイン語でワタを意味する「Algodon(アルゴドン)」と言うこともあります。スペイン語はほぼカタカナ発音でOKなので、日本人が使っても相手に確実に伝わります。スペイン語で話すと向こうも嬉しそうですし。世界の共通語が英語じゃなくてスペイン語ならよかったのにと思いながら、毎朝英語の勉強をしています。(ITO)