第3章シーアイランドコットンが「特別」な訳 第2話 | シーアイランドコットン|シーアイランドクラブ株式会社

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第3章シーアイランドコットンが「特別」な訳 第2話

第2話
~コットンと糸の品質の関係~

シーアイランドコットンの「特別」さを表すキーワード。前回は希少性についてお伝えしましたが、今回は皆さんにとってシーアイランドコットンが気になるおそらく一番の原因、すなわちシーアイランドコットンの品質について書いてみたいと思います。

具体的にシーアイランドコットンの特徴は繊維が「長く、細く、強い」とご存じの方も多いかもしれません。しかし、例えばコットンの繊維が「長い」ということが、糸にする際にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。更に細さ、強さは?

また、そんなシーアイランドコットンの糸で作られた製品を身に着ける、もしくは使用される消費者の方々にとって、どのようなメリットにつながるのか。実際にこの糸を使用してモノづくりをされる皆さんにとっては、寧ろコットンそのものよりも一番気になるところではないでしょうか?

それでは早速見ていきましょう。

綿の糸を顕微鏡で拡大してみると、何本もの綿花の繊維が束になっており、更にその全体がよじられている構造をしています。この「よじる」、つまり撚りをかける工程は糸を形づくるために不可欠の工程で、これがないと繊維同士が十分に絡み合わず、引っ張るとスルッと抜ける「弱い糸」になってしまいます。

糸を構成する繊維がシーアイランドコットンのように長いことは、この「よじる」程度を少なくすることに繋がります。なぜでしょうか?

糸は何本ものワタの繊維が束になった構造をしているのでした。繊維が長い場合(A)と短い場合(B)の糸の模式図を作ってみました。それぞれ、青とオレンジで表された繊維が交互に重なり、糸を構成しています。

図では見やすいようにAとBで極端な差をつけていますが、平均繊維長が長いAでは、青とオレンジの繊維同士が重なり合う部分の長さもBよりも長くなり、繊維同士の摩擦力が大きくなりお互いにズレにくくなります。そうすると、紡績の際にかける撚りが短い繊維を使用するときほど強くしなくても、糸としてすっぽ抜けにくくなります。

もう一つ。コットンは本来、写真のように1本1本の繊維に天然のよじれがあり、そもそも繊維同士が絡みやすい、すなわち糸にしやすい特徴があります。シーアイランドコットンはこの天然のよじれが多く、糸にするために人の手で「追加でよじる」その強さが比較的弱く済むということになります。

では紡績の際に強くよじらなくてもよいことが、糸としてはどのようなメリットがあるのでしょうか。雑巾絞りを想像してみてください。強く絞ると、それだけ水もよく切れますが、雑巾はガチガチに硬くなります。同じように糸の撚りを強くすると糸は丈夫になるものの硬くなってしまいます。繊維同士の間の空間が押しつぶされて、お互いに身動き取れない状態です。強度は増しますが、しなやかさが失われてしまいます。

シーアイランドコットンを糸に紡績する際には、膨らみのある柔らかくしなやかな糸になるように撚りの強さが弱めに設定されています。


次に繊維の「細さ」と「強さ」は糸のクオリティーにどのようにかかわってくるのでしょうか?

ある太さの糸の断面を考えてみましょう。糸はいわば繊維の束ですので、1本1本の繊維が細くなると、糸断面に含まれる繊維の数は多くなりますね。模式図を繊維が太いものと細いもので作ってみました。糸の断面をイメージした同面積の二つの円(オレンジ色)の中に、それぞれ太さの違う繊維をイメージした小円を敷き詰めてあります。つまり、太さの違うコットンを使用し、同じ太さの糸を作った場合です。

糸がより多くの繊維で構成されると(Aの場合)、糸内部で可動部(この場合、繊維同士が接触する点)がそれだけ増えるので、糸として「しなやか」になります。ロボットアームを例にすると、関節となる曲がるポイントが多いほど、よりなめらかな動きができるようになりますが、それと似た原理です。

なお繊維が細くなれば強度も下がるのが普通ですが、シーアイランドコットンは1本あたりの繊維強度が高いため、まとまると十分な強度を保ちながらしなやかな糸が実現できるのです。

また、細い繊維で糸を構成すると、糸の表面は凸凹が少なくなります。上の図に戻ると、細い繊維のAの方が太い繊維のBと比べてオレンジの円と青いファイバーの隙間が少ないですね。それだけ丸みを帯びた糸になるということです。そのような糸に光が当たると乱反射される割合が少ない、つまり光の反射率が高いということで、人の目で見た際に光沢感を感じられる糸になります。シーアイランドコットンの糸で織ったり編まれたりした布地に上品な艶が見られるのには、このような理由があります。

ところで、技術の発達により上記のような高級感を後加工である程度再現することもできるようになっています。しかしシーアイランドコットンはもともとのコットンが天然に持つ特性の結果としてこのような効果を得ているのですから、経年によりその良さが失われてしまうことがないともいえます。シーアイランドコットン製品を実際に使用された方がよく「長く使うほどその良さがわかる」と表現されますが、決して故無きことではないのです。

シーアイランドコットン繊維の「長く、細く、強い」性質がどのようにシーアイランドコットン糸の「ふくらみ、柔らかさ、しなやかさ、光沢感」に繋がるのか。まとめると、繊維が長いために比較的弱い撚りで糸にできるシーアイランドコットンは、よりふくらみがあり柔らかい糸になります。そして実際にシーアイランドコットンの糸はこの特徴を追求しようと、紡績の際にも撚りが通常よりも弱めに設定されています。また、その繊細な繊維の構造は糸やその布地の表面を平滑にし、光が素直に反射されます。シーアイランドコットンの布地の上品な光沢と身にまとう際の肌に気持ち良いトロッとした触感にはこのように物理的な理由があるのです。

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