2021-05-17
新たな産学協同プロジェクト開始のお知らせ
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安心してご使用いただけるシーアイランドコットンを目指して
シーアイランドコットンを遺伝子レベルで判別することを目的に昨年開始された信州大学基盤研究支援センターにおける産学協同プロジェクトですが、今回、並行して開始する新たなプロジェクトの一環で上田キャンパスにお邪魔し、カリブ産シーアイランドコットンの種まきをしてきました。
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シーアイランドコットンを特徴づける遺伝子は何なのか?もしそれが解明されれば、第一に原綿から製品までのトレーサビリティを科学的により明確な形で示すこととなり、お客様の更なる安心につながると考えます。
更に具体的に繊維長や細さ、強さを司る因子が判明すれば、産地における品質改善の効率を向上できる可能性があります。昔からシーアイランドコットンを栽培する農家さんたちは、収穫されたコットンの繊維を目で見て、触ることにより良いものを選び出し、その種を優先的に翌年の栽培に使用することで、現在シーアイランドコットンが享受する最高級品質の評判を築き上げました。こうした選別の「目」は長年のシーアイランドコットン栽培の経験により培われるものです。
もし、遺伝子の側面でこの経験を補うことができれば、原理的には素晴らしい品質のコットンを生み出すポテンシャルを持つ種の選別ができるようになることが期待されます。
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結果が出るまでに何年かかるのか、期待される結果が出るのかさえ未知数な基礎研究ですが、シーアイランドコットンのトレーサビリティ、最高級の評価を保ちながら後世に残していくという私たちの使命に照らしてみても十分試みる価値のある研究といえます。