この星をつつむ奇跡の綿花
米国産海島綿・・・再び世界の主流へ
1.HISTORY
奇跡の綿花とは
今から200年以上前の1790年代に西印度諸島産綿花のアメリカへの導入が成功しました。
西印度諸島の綿花の多くは、アメリカで栽培されてきた陸地綿と異なり種子に産毛を持たず、シンプルなローラジンで簡単に繊維と種を分離することができます。
そのような綿花をアメリカで栽培することは長い間、夢のような話しでした。


しかし、西印度諸島産の綿花は、そのいずれもが多年生草木で、アメリカの気候では越冬が困難なため、越冬せずに最良のステーブルを収穫しうる1年生草木に改質し、開花、結実、成熟の時期を早めるような新品種を生み出す必要がありました。
そして、その新品種開発に成功したのがサウスカロライナ海岸沿いの栽培者たちでした。
アメリカン・シーアイランドコットン誕生の瞬間です。
このように成功した米国産海島綿はサウスカロライナからジョージア、フロリダ半島のセントジョーンズ河口に至る海岸地帯と沖合の島々が形成する細長い帯状の地域に浸透し、後にシーアイランド地方での栽培がメインとなったことから、シーアイランドコットンと名づけられました。
それから100年あまり、世界の海島綿生産は米国産が主流となりました。最盛期の1830年頃の栽培量は27,000トンに達し、英国へも大量に輸出していました。
しかし、1918年以後に害虫による壊滅的打撃を受け、米国農務省は害虫に強い綿のアメリカエジプシャンに栽培を切り替えてしまったのです。
米国産海島綿の栽培は1922年が最後になりました。


100年ぶりに蘇る
世界の主流であった米国産シーアイランドコットンが消えてから約100年。
米国産海島綿の復活を目指す私たちは、2004年からニューメキシコ州立大学の試験農場で試験栽培を繰り返し、13年の月日を費やし、商業栽培に成功しました。そして2017年ついに米国産海島綿が復活を遂げたのです。
ふたたび表舞台へと蘇った「奇跡の綿花」なのです。


ニューメキシコ州立大学
1889年設立の公立大学。設立当初は農業に重点を置く、専門学校としてスタートしましたが現在は研究・教育機関が充実したニューメキシコ州最大の総合大学です。
現在はシーアイランドクラブ株式会社と産学共同プロジェクト(2019年〜2023年5か年計画)で更なる品質の向上に向けた取組を行なっています。
ニューメキシコ州立大学の最先端農業技術が
創造した新たなる伝説
2.サステナブルな栽培方法と品質
アメリカンシーアイランドコットンは環境に配慮した地球に優しい栽培方法と同時に世界最高峰の品質を目指しています。栽培農家・紡績会社・卸売商社まで BCI に加盟しており、畑の管理から最終製品に至るまでトレサビリティ(追跡可能)を確保しています。


また、U.S. Cotton Trust Protocolにも加盟しており、この綿がいかに環境、社会に対するリスクが低く持続可能な方法で栽培されているかを客観的数値で示すことができるようになっています。
復活の地は東海岸ではなくエルパソだった。
良質な綿が育つ特別な条件
100年ぶりに選ばれた栽培場所は東海岸地方でなく、テキサス州のエルパソでした。
海抜1,100mの高地でありながら砂漠気候に属する特異な気候。年間3,700時間というカリブを凌ぐ日照時間を受けながら夜は冷涼なため、昼間すくすく育ったコットンに休息を与えます。綿花の収穫時期には霜がおり、一時にボールをはじけさせることによりシーアイランドコットンでありながら機械による収穫を可能にします。
まさに良質な綿花の栽培に適した気象条件と土壌になっています。
超長綿の元祖の名にふさわしい安定した繊維長、そして西印度諸島産を凌ぐ強靭なファイバーはこの土地だからこそ生み出すことができるものです。
国土の広い米国だからこそ、これほどまでに適した場所が見つかったと言えます。
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